2009-01-01から1年間の記事一覧

質的研究による医学教育研究ワークショップ

2009.12.19(土)-20(日) 「質的研究による医学教育研究ワークショップ」 会場:名古屋「名城大学名駅サテライト MSAT」 講師:東京大学医学教育国際協力研究センター:錦織 宏,名古屋大学:大谷 尚 に参加してきました。初日は大谷先生による質的研究につい…

新人看護研修ガイドラインを実践するためのセミナー開催、ご案内

日本医療教授システム学会では以下のようなセミナーを開催いたします(予定)。来年度から努力義務化される新人看護職員研修を実践するためのサイエンスとアートをお伝えいたします。 詳細は日本医療教授システム学会のHPからどうぞ。第2回 日本医療教授シ…

パラダイムシフトはすでに終わっている、ということ

人材開発の分野ではteaching paradigmからlearning paradigmへの移行が終了しています。実践ではまだまだ不十分ですが、思想的には移行が終了していると言っていいでしょう。あとは方法論の普及待ち。Teaching paradigmでは小学生からプロフェッショナルまで…

デブリーフィングは危険

長期にわたって行動の変容をもたらす学習ではデブリーフィングが必要になりますが、「洗脳」にならないよう注意しなければなりません。デブリーフィングの範囲は、あらかじめ規定された職種のコンピテンシー開発に必要な範囲にとどめるべきでしょう。 それを…

リテンションが悪い。実は学習が成立していない?

ワシントンDCで開催されたFirst Aid(市民を対象とした応急処置)のサイエンス・アドバイザリーボードの会議に出席していて、一般市民を対象とした心肺蘇生の効果をみた文献が紹介されました。一般市民に心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)をインストラクショ…

ゴルフの練習

ハワイには「打ちっぱなし」というゴルフの練習法はない、らしい。ゴルフの練習はコースで行う、というのが常識。これは医療でも同じと思います。医療は分解して教えられるものではありません。全体を通して、浅い学習から深い学習へ。ゲームを通して学習す…

同じシナリオで行うOSCE

学生がOSCE対策として診察手順を覚えたり、インタビューの台詞を覚えることが成り立つとすれば、それはOSCEではありません。暗記できるものは言語情報であり、それは知的スキルではないから。知的スキルを評価するには同じシナリオは使えません。学生が暗記…

次世代Faculty Developmentの準備

いわゆるFDです。現在行われている臨床研修指導医養成WSの原型は、1970年代に始まった富士研です。これはブルームのタキソノミーを導入した、臨床研修カリキュラムの責任者用のWSで、その目的はカリキュラムの評価にあります(ブルームのタキソノミーのター…

ピッツバーグ

明日夕方、ワシントンDCへ。 ファーストエイドのサイエンス会議に出席後、ピッツバーグへ。 WISERのNursing Simulation Symposiumを見学。 そこでAHAのACLSコンサルタントのJohnと会食の予定。これが一番楽しみです。 PaulやAimeeとも再会し、来年夏のプラン…

ファシリテーション・ライブセミナー

という企画を考えています。医療というタスクを遂行するには、 テクニカルスキル(たとえば心臓マッサージ、静脈採血など)、 知的スキル(蒼白な皮膚を見て「チアノーゼ」と宣言できる、チアノーゼの原因を想定できる、心臓が原因ととりあえずの結論を出す…

091128「看護教育とシミュレーション医療学習」

第29回日本看護科学学会学術総会のモーニングセッション(LMJ)で「看護教育とシミュレーション医療学習」というプレゼンテーションをしました。 そのPDFファイルを以下からダウンロードしていただけます。 http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/tcc/ikegamik/0…

シミュレーションの普及段階、次のステップへ

11月26,27日はSimEXPO2009でした。過去2回に比べ、参加者の要求が移っていることを感じました。去年まではシミュレーション医療学習について情報を集めたい、という感じでしたが、 今年の参加者は「シミュレーション医療学習を実践するための方法論を身につ…

学習・教育のモデルに関する最近の動向を解説する論文の紹介

鈴木克明「教育・学習モデルとICT利用の展望:教授設計理論の視座から」教育システム情報学会誌2005;22:42-53.この論文には「記述的理論」「処方的理論」「教育」「学習についてのモデル」「行動主義」「認知主義」「構成主義」「教授」「教授設計理論」など…

「医療学習システム」の構築に関するラウンドテーブル・ディスカッションのご案内 1.0

以下、「ご案内」のver.1.0です。参加を希望される方は下記よりお申込みください。 http://www.asas.or.jp/jsish/index.html SimEXPO2009 「医療学習システム」ラウンドテーブル・ディスカッション(RTD) ご案内Ver.1.0Ⅰ 「医療学習システム」のサイエンス…

SimEXPO2009のご案内

SimEXPO2009のご案内 池上敬一 日本医療教授システム学会 代表理事事実 ・ 医療事故の主な原因は、注射のミスや手術の失敗などのテクニカルスキルのエラーではなく、報告・連絡・相談、リーダーシップ、チームワーク、異変への気づき、観察と評価などの「ノ…

ピーター・ドラッカーの詩@95歳

http://blog.apecell.com/2009/11/02/id/74からの引用です。経営学の権威、マネジメントを作った男と称され、著書も多く世界中で長く読まれているピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)が亡くなる95歳の時に書いた詩。 もう一度人生をやり直せる…

「トレーニング症候群」と「ネガティブトレーニング」

この言葉はニコニコ動画で見た「テネリフェ空港事故」の番組の中で聞きました。シミュレーションなどで仮想のトレーニングのし過ぎによる現実・非現実の区別があいまいになる状態を言うようです。これ、実によく経験します。トレーニングのし過ぎではなくて…

テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故

これは1977年に発生した航空機事故で、2機のジャンボ機の乗客・乗員583名が犠牲になりました。この事故がきっかけになり、いまではCrisis Resource Management(CRM)として知られるノン・テクニカルエラーを防止するチーム訓練が発達しました((かつてはco…

ニューズウィークの特集・おすすめ

クラウド化・知的生産革命、お勧めの記事です。 とくにコンピュータ倫理を確立した哲学者(と紹介してあります)、ルチアーノの記事が秀逸です。 難しいですが・・・情報としての知識の価値が急落する中、人がface-to-face、それも協調的に行う学習の理解と…

SimEXPO2009招待状をアップしました

http://www.simclub.jp/にSimEXPO2009の招待状をアップしています。 PDFファイルになっていますので、これをダウンロードの上、印刷していただくとそのまま 招待状(無料)になります。ぜひご利用ください。

SimEXPOガイドブック

今日はSimEXPOガイドブックの構想を立てています。SimEXPOは2007年11月に第一回を開催、今年で3回目になります。過去の企画と今回のスケジュールを眺めると、コンセプトが固まり、目的・方法が明確になってきたのがわかります。21世紀になって欧米に出現した…

コースのコスト計算

昨日はアメリカ心臓協会のコースのコスト計算をしてみました。マネキンやAEDトレーナーなどの資器材の減価償却期間を24カ月と設定し、消耗品や会場費を積み重ねるとBLSの受講費15000円、ACLSの受講費35000円ではインストラクターフィーがようやく出せるか、…

「一斉講義はすべて忘れ去られる」

「リフレクティブ・マネジャー」p.233 一斉講義の引用。・・・そもそも一斉講義は産業革命がもたらした産物だとされている。18世紀のイギリスで安価な労働力として子どもが注目された。子どもたちを工場で働かせるためには、作業の方法やさまざまな決まり事…

「仕事ができること」と「成長すること」

中原淳、金井壽宏「リフレクティブ・マネジャー」光文社新書から。 p.90に成長に寄与する「内省支援」という章があります。ここを読んでいて、病院が求める「仕事ができること」(そしてそのための教育・研修)と、研修医・新人看護師が自分自身に期待する「…

タスクトレーニングとシミュレーションの区別

どこかで書いたかもしれませんが、タスクトレーニングとシミュレーションについて再考したいと思います。欧米のシミュレーション学会に行くと、タスクトレーニングとシミュレーションは使い分けられています。タスクトレーニング:人体の部分モデルを用いて…

「患者安全」を学習するためのアプローチ

「患者安全」を達成するには、「患者安全」を学習する必要があります。 それには「患者安全」を学習できる教材・ファシリテーションを設計できなければなりません。以下、その考え方をまとめてみました。キーワードは、患者安全、ベストプラクティス、コンピ…

PALSはクリティカルシンキングのトレーニングに最適

今日はPALSの2日目。 Pediatric Advanced Life Supportコースです。受講者は8名、ファシリテーターは2名。 受講者:医師3名、看護師3名、救命士2名。BLS/ACLSは心停止に対するテクニカルスキルの訓練といえます。 PALSは非心停止に対するクリティカルシンキ…

ハワイ大学医学部シミュレーションセンター(SimTiki)へのリンク

SimTikiとは2006年から交流しています。以下、SimTikiからのメッセージです。**********やっとSimtTiki シミュレーションセンター、日本医療従事者向けコースの日本語ウェブサイトが完成しました。パンフレットでは情報の得ることのできなかったコ…

「歯科診療室・患者急変対応コース」ダイジェスト版

http://www.simclub.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=2&lid=5 から配信しています。

やはり「ノン・テクニカルスキル」が重要

北海道、菅野先生からの情報提供です。 医療事故報告、過去最多のペース 10月8日20時6分配信 日本医療機能評価機構がこのほど公表した「医療事故情報収集等事業」の第18回報告書によると、医療事故の報告が義務付けられている国立病院機構や国立高度専門医療…