G2010 AHA ECCプログラム

AHA ECCインターナショナルのオペレーション統括部長との会談からG2005で導入したeducationのサイエンス(IDとCIC)は不変。 BLS, ACLSともにサイエンスの大幅な変更はない。ということで、G2010 ACLSは来年早々から可能、のような話でした。ACLSのニューテキ…

医療・人材育成のイノベーション、など

医療は危機的状況にありますが、医療における人材育成を医療再生と継続的な医療のインフラとして整備する必要があると思います。人材育成のひとつの工夫をまとめてみました。 http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/tcc/ikegamik/100207JSISH_HRD_sim.pdfこの中…

2010 シミュレーションの位置づけ update

今日は10th IMSH(international meeting on simulation in healthcare)の最終日でした。 強く影響を受けたのは、 "Why hospitals don't learn from failures: organizational and psychological dynamics that inhibit system change" Amy Edmondson, PhD.…

スキルラボ、ジョブ・リハーサル(シミュレーション)、実践を連携する・・・人材育成

池上@International Meeting on Simulation in Healthcare (Phoenix, AZ)です。 今日の収穫(出席できたセッション)は、 Changing Hospital Culture: to create a highly reliable team based healthcare practice. The Simulation-Triangle: merging phys…

シミュレーションによるチームワークのトレイニング

Gaba DM: What does simulation add to teamwork training? http://www.webmm.ahrq.gov/perspective.aspx?perspectiveID=20David Gabaは1980年代からオペ室におけるcrisis managementとシミュレーション訓練の研究をはじめ、いまや医療におけるCRMの大家であ…

「学習」は「いま、ここで」起こる、ということ

今日は面白い体験をしました。そのご報告です。今日はhttp://amr-japan.com/でPEARSコースを開催しました。PEARSとは(以下、引用です) (引用開始) 小児の二次救命処置を身につける1日コースです。 PEARSは、Pediatric Emergency Assessment, Recogn…

外傷センター・外傷トレーニング

僕たちの救命救急センターは英語表記ではShock Trauma Centerとしています。 もう8年くらい前からこう呼んでいます。実際、新鮮外傷・重度外傷患者が多く、以前からトレーニングコースを考えてきました。これが一気に進歩しそうです。カダバーを用いたアナト…

医療システムをデザインするという視点

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 今年の抱負は、患者安全と人材育成に関する文献をできるだけアップしたいことです。というわけで今日は、 JB Battles: SAFETY BY DESIGN Quality and safety by design. Qual Saf Health…

質的研究による医学教育研究ワークショップ

2009.12.19(土)-20(日) 「質的研究による医学教育研究ワークショップ」 会場:名古屋「名城大学名駅サテライト MSAT」 講師:東京大学医学教育国際協力研究センター:錦織 宏,名古屋大学:大谷 尚 に参加してきました。初日は大谷先生による質的研究につい…

新人看護研修ガイドラインを実践するためのセミナー開催、ご案内

日本医療教授システム学会では以下のようなセミナーを開催いたします(予定)。来年度から努力義務化される新人看護職員研修を実践するためのサイエンスとアートをお伝えいたします。 詳細は日本医療教授システム学会のHPからどうぞ。第2回 日本医療教授シ…

パラダイムシフトはすでに終わっている、ということ

人材開発の分野ではteaching paradigmからlearning paradigmへの移行が終了しています。実践ではまだまだ不十分ですが、思想的には移行が終了していると言っていいでしょう。あとは方法論の普及待ち。Teaching paradigmでは小学生からプロフェッショナルまで…

デブリーフィングは危険

長期にわたって行動の変容をもたらす学習ではデブリーフィングが必要になりますが、「洗脳」にならないよう注意しなければなりません。デブリーフィングの範囲は、あらかじめ規定された職種のコンピテンシー開発に必要な範囲にとどめるべきでしょう。 それを…

リテンションが悪い。実は学習が成立していない?

ワシントンDCで開催されたFirst Aid(市民を対象とした応急処置)のサイエンス・アドバイザリーボードの会議に出席していて、一般市民を対象とした心肺蘇生の効果をみた文献が紹介されました。一般市民に心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)をインストラクショ…

ゴルフの練習

ハワイには「打ちっぱなし」というゴルフの練習法はない、らしい。ゴルフの練習はコースで行う、というのが常識。これは医療でも同じと思います。医療は分解して教えられるものではありません。全体を通して、浅い学習から深い学習へ。ゲームを通して学習す…

同じシナリオで行うOSCE

学生がOSCE対策として診察手順を覚えたり、インタビューの台詞を覚えることが成り立つとすれば、それはOSCEではありません。暗記できるものは言語情報であり、それは知的スキルではないから。知的スキルを評価するには同じシナリオは使えません。学生が暗記…

次世代Faculty Developmentの準備

いわゆるFDです。現在行われている臨床研修指導医養成WSの原型は、1970年代に始まった富士研です。これはブルームのタキソノミーを導入した、臨床研修カリキュラムの責任者用のWSで、その目的はカリキュラムの評価にあります(ブルームのタキソノミーのター…

ピッツバーグ

明日夕方、ワシントンDCへ。 ファーストエイドのサイエンス会議に出席後、ピッツバーグへ。 WISERのNursing Simulation Symposiumを見学。 そこでAHAのACLSコンサルタントのJohnと会食の予定。これが一番楽しみです。 PaulやAimeeとも再会し、来年夏のプラン…

ファシリテーション・ライブセミナー

という企画を考えています。医療というタスクを遂行するには、 テクニカルスキル(たとえば心臓マッサージ、静脈採血など)、 知的スキル(蒼白な皮膚を見て「チアノーゼ」と宣言できる、チアノーゼの原因を想定できる、心臓が原因ととりあえずの結論を出す…

091128「看護教育とシミュレーション医療学習」

第29回日本看護科学学会学術総会のモーニングセッション(LMJ)で「看護教育とシミュレーション医療学習」というプレゼンテーションをしました。 そのPDFファイルを以下からダウンロードしていただけます。 http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/tcc/ikegamik/0…

シミュレーションの普及段階、次のステップへ

11月26,27日はSimEXPO2009でした。過去2回に比べ、参加者の要求が移っていることを感じました。去年まではシミュレーション医療学習について情報を集めたい、という感じでしたが、 今年の参加者は「シミュレーション医療学習を実践するための方法論を身につ…

学習・教育のモデルに関する最近の動向を解説する論文の紹介

鈴木克明「教育・学習モデルとICT利用の展望:教授設計理論の視座から」教育システム情報学会誌2005;22:42-53.この論文には「記述的理論」「処方的理論」「教育」「学習についてのモデル」「行動主義」「認知主義」「構成主義」「教授」「教授設計理論」など…

「医療学習システム」の構築に関するラウンドテーブル・ディスカッションのご案内 1.0

以下、「ご案内」のver.1.0です。参加を希望される方は下記よりお申込みください。 http://www.asas.or.jp/jsish/index.html SimEXPO2009 「医療学習システム」ラウンドテーブル・ディスカッション(RTD) ご案内Ver.1.0Ⅰ 「医療学習システム」のサイエンス…

SimEXPO2009のご案内

SimEXPO2009のご案内 池上敬一 日本医療教授システム学会 代表理事事実 ・ 医療事故の主な原因は、注射のミスや手術の失敗などのテクニカルスキルのエラーではなく、報告・連絡・相談、リーダーシップ、チームワーク、異変への気づき、観察と評価などの「ノ…

ピーター・ドラッカーの詩@95歳

http://blog.apecell.com/2009/11/02/id/74からの引用です。経営学の権威、マネジメントを作った男と称され、著書も多く世界中で長く読まれているピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)が亡くなる95歳の時に書いた詩。 もう一度人生をやり直せる…

「トレーニング症候群」と「ネガティブトレーニング」

この言葉はニコニコ動画で見た「テネリフェ空港事故」の番組の中で聞きました。シミュレーションなどで仮想のトレーニングのし過ぎによる現実・非現実の区別があいまいになる状態を言うようです。これ、実によく経験します。トレーニングのし過ぎではなくて…

テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故

これは1977年に発生した航空機事故で、2機のジャンボ機の乗客・乗員583名が犠牲になりました。この事故がきっかけになり、いまではCrisis Resource Management(CRM)として知られるノン・テクニカルエラーを防止するチーム訓練が発達しました((かつてはco…

ニューズウィークの特集・おすすめ

クラウド化・知的生産革命、お勧めの記事です。 とくにコンピュータ倫理を確立した哲学者(と紹介してあります)、ルチアーノの記事が秀逸です。 難しいですが・・・情報としての知識の価値が急落する中、人がface-to-face、それも協調的に行う学習の理解と…

SimEXPO2009招待状をアップしました

http://www.simclub.jp/にSimEXPO2009の招待状をアップしています。 PDFファイルになっていますので、これをダウンロードの上、印刷していただくとそのまま 招待状(無料)になります。ぜひご利用ください。

SimEXPOガイドブック

今日はSimEXPOガイドブックの構想を立てています。SimEXPOは2007年11月に第一回を開催、今年で3回目になります。過去の企画と今回のスケジュールを眺めると、コンセプトが固まり、目的・方法が明確になってきたのがわかります。21世紀になって欧米に出現した…

コースのコスト計算

昨日はアメリカ心臓協会のコースのコスト計算をしてみました。マネキンやAEDトレーナーなどの資器材の減価償却期間を24カ月と設定し、消耗品や会場費を積み重ねるとBLSの受講費15000円、ACLSの受講費35000円ではインストラクターフィーがようやく出せるか、…